いま日本の建設業界は特需の恩恵を受けている。都市部で高層ビル・マンションの建設や主要駅周辺の再開発、郊外で物流拠点の整備などが進んでいるほかに、震災復興や東京オリンピックといった巨大プロジェクトが動いている。
一方で、深刻な人手不足、不慣れな作業者による事故の多発、ポスト五輪の不確実性といった課題を抱えていて、解決策が求められているという。ACCESSはきょう、先進ICT(情報通信技術)を用いた建設業界向けIoT(モノのインターネット)ソリューションの開発・提供を目標として、建機レンタル国内最大手のアクティオとの協業を発表した。
その第一弾として、「建設現場の安全訓練用5K対応VRシステム」を共同開発――ACCESSのIoT技術、アクティオの建設業界における知見、台湾StarVR社の仮想現実/超高性能VRヘッドマウントディスプレイ技術、BeRISE社(広島市)の3Dデジタルコンテンツ制作技術/高解像度5Kコンテンツを採用したという。
今回のシステムでは、建機の位置や稼働状況をセンサーデバイス用ソフトウェア「NetFront® Agent」でリアルタイムにモニタリングし、IoTサービスクラウド統合基盤「ACCESS Connect®」で管理する。これにより従来の建機メンテナンスに掛かるコストの削減、安心安全な職場環境や業務の効率化などを実現する。
ヘッドマウントディスプレイを着用して、疑似的に不安全行動をすることにより、どこに危険個所があるか、安全でない行動をとるとどのような結果を招くのかを体験し、安全意識高揚に繋げられる。ヘッドマウントディスプレイ経由で集積されたトラッキングデータをクラウド側で管理・分析するしくみも提供する。IoTソリューションを「Safety Training System VR of AKTIO」として、アクティオは国内のレンタル建機市場へ展開していく構えだ。