「獺祭」の醸造工程でAIを活用し、日本酒造りを最適化

旭酒造と富士通、富士通研究所は、富士通研究所が開発した日本酒造りを支援する人工知能(AI)予測モデルを用いて、旭酒造が製造・販売する日本酒「獺祭」の醸造を行う共同実証実験を実施する。

旭酒造が過去に蓄積した醸造工程での温度・比重などのデータを基に開発したAI予測モデルに対して、実際の日本酒の醸造工程を通じて予測情報を算出することで、AI予測モデルの妥当性について確認・検証を実施する。

醸造する日本酒の成分データなどを旭酒造が計測し、富士通研究所が開発したAI予測モデルを活用して、旭酒造が計測したデータから日本酒醸造工程における最適なプロセスを支援する情報を提供する。

旭酒造は、富士通、富士通研究所から提示した支援情報に基づき、最適な日本酒造りの実現に向けた日本酒醸造を行う。また、この実証実験を2サイクル行うことにより、AI予測モデルの精度向上と、日本酒造りでのAIの有効性と実用化の検証を行う。

富士通研究所が開発したAI予測モデルは、旭酒造の過去の醸造に関するデータや生物学的プロセスなどの知見を基に、日本酒醸造の流れを定義した数理モデル化と、日本酒に含まれる成分の計測値を用いた機械学習を組み合わせる。日本酒醸造における最適なプロセスを支援する情報を算出することが可能な技術だという。

旭酒造は、AI予測モデルが算出する支援情報を活用することで、日本酒の醸造工程で使用される機器の最適な制御が可能になります。今回の実証実験を通じて得たデータや旭酒造からのフィードバックを取り込み、予測精度の向上や支援情報の精緻化を実現し、より最適な日本酒造りの支援を可能にする。