高密度成形コイルの採用で小型・高効率のモータを実現

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズは、アスターと次世代産業用モータの共同開発を開始した。各種産業機器の省スペース化、軽量化、生産性向上に貢献するため、小型化と高効率化を実現する産業用モータの実用化を目指す。

工場での自動化や省人化のニーズを背景に、産業用モータの需要は拡大傾向にある。このような中、ロボットや設備の小型化、工程作業時間の短縮、より高精度な制御といった要求の高まりから、モータにはさらなる小型化と高効率化が求められる。その実現のためには、電磁石の役割を果たすコイルの高密度化が必要となる。

アスターは、従来の丸線を利用したコイルに比べ、大幅に巻線密度を向上できる独自の高密度成形コイル技術を開発している。一方、パナソニックは、産業用モータとして業界最小のサーボモータを量産しており、高いモータ設計技術を有する。

コイルスロット面積に占める導体の割合を占積率と呼び、その値が高いほどモータの小型化、高効率化に有利となる。従来の丸線コイルの占積率は55%前後である一方、成形コイルは、板状の導体を積層してコイルを構成するため、コイルごとの自由な形状設計を可能にしている。

今回の共同開発を通じて両社の技術を融合し、サーボモータのさらなる小型化(現行品比で体積20%以上減)、高効率化(現行品比で損失10%減)を図る。両社は、産業用ロボットや産業機器向けを想定して開発を進め、2019年度から順次サンプル提供を開始する予定。