凸版印刷は、2016年から新世代決済カード事業で協業しているIDEMIAが開発したICカード「F-CODE(エフコード)」の日本国内での製造・販売を開始する。クレジットカード本体に搭載した指紋認証機能で決済時にPINコードの入力が不要となる。
販売開始に先駆け、2018年4月からジェーシービー(JCB)が「JCB Biometrics Card」として主に従業員向けに発行し、実際の店舗で決済を行い利便性や実用性を検証する実証実験に採用している。
F-CODEは、ICカードの券面に指紋センサーを搭載し、個人認証をカード上で行える高セキュリティICカード。カード表面に搭載されている指紋センサーを用いることで、クレジットカードの店頭利用時に必要なPINコード入力を指紋認証に置き換えることができるため、決済処理のスピードアップが図れる。また、PIN番号の管理が不要なため、セキュリティ性の高い安全な決済環境を構築できる。
指紋データはカード内にのみ登録・保存されており、利用時の指紋認証もカード内で完結するため、指紋データをサーバなどに保存する必要がない。そのため、指紋データの漏えいなどのリスクを抑えている。
また、ICカードに搭載された指紋センサーで個人を認証し決済を行うため、店頭で新たな認証端末を導入する必要がないというメリットがあるという。
凸版印刷は、F-CODEを全国のクレジットカード会社に向けて拡販。導入サポートや発行機、保守サービスなどの機能を拡充し、2020年度に約10億円の売り上げを目指す。