事例! 金融機関の業務端末、顔とIDでセキュア・ログイン

近ごろスマートフォンでも顔認証が主流になりつつある。IDとパスワードによりアクセス権を与えるしくみでは、PCなどの端末を他人に悪用される可能性を排除できない。

機密情報、顧客の機微情報や財産などを扱う業務端末なら、より安全で確実な本人確認手段が選ばれてしかるべきだろう。

顔認証技術は、社員証などのIDカードによる認証方法と違い、盗難・紛失などのリスクが少なく、なりすましなどの不正利用を防ぐことができる。さらに、顔とID/パスワードを組み合わせた二要素認証を採用すれば、アプリケーション利用時における厳格な本人認証が可能になるという。

SMBCグループの一員として総合決済ファイナンスカンパニーを目指しているセディナは、NECの顔認証技術を採用し、業務端末約8,000台を対象とした新たな生体認証システムを構築――5月から全国約70拠点にて順次稼働を開始する予定だとした。システム基盤には、最先端AI(人工知能)技術群「NEC the WISE」の1つであり、米国国立技術研究所の動画顔認証技術ベンチマークにおいて世界No.1の性能を発揮したAIエンジン「NeoFace」を活用している。

セディナでは従来、業務端末から業務アプリを利用する場合、アプリ毎に設定したID・パスワードにより利用者の本人認証を行っていた。そして今回、顔認証技術の採用にあわせて、業務アプリへのアクセス制限を一元的に管理するシングルサインオンの仕組みも導入。これにより、業務端末のOS(基本ソフト)ログイン時に顔認証とID/パスワードで本人認証を行い、一度の認証で複数の業務アプリを利用できるようにした。

安全なアクセスと高い利便性を両立する、業務アプリケーションは将来的に約30種類を予定している。セディナは今回のシステムを活用した顔認証による入退室管理等も検討していて、一層のセキュリティ強化と利便性向上を図っていくという。