三菱電機は、情報セキュリティ大手のマカフィーと連携し、原子力発電所やプラントなどの制御システムに対する高度なサイバー攻撃を、マカフィーから提供されるサイバー攻撃データを活用して早期に検知して防御する、統合型セキュリティ防御システムの開発に着手する。
近年、重要インフラ制御システムへのサイバー攻撃が増加しており、海外では大規模な停電や設備破壊などの被害が発生している。国内においてもサイバー攻撃からのインフラ保護が課題となっており、原子力発電所などの重要インフラ制御システムにおいてはさらなるセキュリティ強化が求められている。
こうした中、三菱電機では、外部からだけでなく過失や故意による内部脅威を含めた高度なサイバー攻撃に対応した新たなセキュリティ防御システムの実現に向けて、マカフィーからサイバー攻撃データの提供を受け、制御システムに対する特有なサイバー攻撃を早期かつリアルタイムに検知するアルゴリズムを開発する。
マカフィーが持つ豊富なサイバー攻撃データの活用によって、より向上する同社のサイバー攻撃検知技術と、これまで培ってきた重要インフラ制御システム技術を融合し、さらに入退管理システムや監視カメラシステムなどの物理セキュリティと組み合わせて、重要インフラに適した統合型セキュリティ防御システムの構築を目指す。
具体的には、サイバー攻撃リアルタイム検知アルゴリズムの開発・検証を強化するとともに、実際の重要インフラに設置されている計算機やコントローラとのインターフェースやセキュリティ統合監視画面の開発により統合型セキュリティ防御システムのパッケージ化を進め、2020年に発電所制御システム向け防御システムの実用化を図る。