近ごろネットにつながる車が注目されている。それはドライバーや同乗者に楽しみと利便性を提供するだけでなく、保険やリアルタイムの保守サービスなど、新たな安全安心メニューとも連動し、近未来の自動運転技術にもつながる。と同時に、サイバー攻撃対策が求められる。
現状でも、カーシェアリングやレンタカー会社などは車両自己診断機能ポート経由で外部と通信をしたり、Web経由でユーザ向けにスマホアプリを提供したりしていて、米国などでセキュリティインシデントが発生――日本でも懸念が広がっている。
コネクテッドカーを開発している自動車メーカーや、主要コンポーネント供給会社では、販売した車両へのセキュリティ監視を行うためのSOC(セキュリティ・オペレーション・センター)運用に関心が集まっている。それには、コミュニケーションサーバへの攻撃などコネクテッドカー環境に準拠したプロトコル対応が必須。コネクテッドカーならではのユーザ/車両挙動(通常使用状態との乖離度合い)の学習と、コミュニケーションおよびアプリケーション・サーバの相関分析を従来の仕組みで行うことは現実的でないという。
アズジェントは、イスラエルのアップストリーム・セキュリティ社とディストリビュータ契約を締結し、コネクテッドカーの様々なデータをAI(人工知能)分析、異常発生時には通知を行うSOCソリューション 「Upstream」の販売を開始する。これにより、ECUセキュリティ、CANバス認証セキュリティ、およびスマートフォンからコネクテッドカーを操作するスマートキーセキュリティをラインナップする。
今回販売するUpstreamは、「プロトコルセキュリティ」、「トランザクション分析」、「コンテキストセキュリティ」、「ふるまい検知」機能を備えていて、SOC管理者が複数車両の中から異常発生車両を発見し、対処することを可能にするという。