あたかもそこに居るような感覚が得られるVR(仮想現実)や、実際の光景に映像や文字などを重ねるAR(拡張現実)、VRとARを複合したMRも登場し、これらは今、ゲームやエンターテインメントの世界を飛び出し、産業および医療分野で活用され始めている。
専用のゴーグルを付けて、新人エンジニアがベテランエンジニアと同様の作業をしたり、外科医が手術の段取りを事前確認したり、遠隔地にいる人同士がリアルタイムでチームワークを実現したり、およそSFだったことどもがいずれも現実になっている。
きょう、日立製作所は、マイクロソフト社のMRヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」を利用した手術室構築イメージを体験できるコンテンツを開発したと発表。同コンテンツにより、手術室を新設する予定の病院や、機器の新規導入を予定している既存の手術室空間をMR空間としてバーチャルの医療機器を配置し、実際の手術室構築イメージや機器の導入を体験できるとした。
手術室には手術台や生体モニタ、麻酔器、各機器からの情報を表示するディスプレイなどさまざまな機器が配置されている。また手術は執刀医、麻酔科医、看護師など複数人のスタッフで対応するため、効率的に手術を行うための機器のレイアウトが重要となる。しかし従来、実際に機器を配置するまで、導入する手術室をイメージすることが難しく、事前に機器の運用などをシミュレーションすることができなかったという。
日立は、多くの大規模病院にオープンMRIシステムを納入していて、今年3月にはこのシステムを中心に手術支援を行うナビゲーションシステムや映像統合配信システムをパッケージ化した「OPERADA」を販売開始。このデジタル手術支援ソリューションを導入した手術室で、HoloLendsを用いた構築シミュレーションができる。
MR体験は今週末「2018国際医用画像総合展」でも――。