ICT土木施工の現場、IoT通信環境を改善

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代をゆく。日本は生産年齢人口の減少が予想されていて、ICT(情報通信技術)を活用した生産性向上が待ったなしの課題となっている。

建設分野においては、現場の生産性を向上させ、魅力ある建設現場をめざす「i-Construction」を国土交通省が主導している。この取り組みの3本柱の一つである土木施工への「ICTの全面的な活用」が進められている。が、屋外でインターネットへの接続も要するIoT、ICT施工では、通信能力および品質がしばしば問題になる。

そしてきょう、日立国際電気および日立建機は、施工現場におけるIoTの通信環境改善ソリューションの実証実験を実施し、通信環境の改善に成功したことを発表。これにより、IoTで課題となる通信環境が確保しづらい環境においても、通信環境を提供することが可能になるという。

通信環境改善ソリューションでは、ICT建機、ICT施工・管理ツールおよび現場間コミュニケーションツールを利用する際に必要となるインターネット接続可能な無線LANエリアを提供。顧客の使用環境や現場の地形に合わせた柔軟な機器設置や無線LANエリアの設定を可能にする。

今回、ICT施工に積極的な大林組と正治組の協力のもと、携帯電話の電波状況が良くない地域の工事現場でもICTが活用できることを検証した。実験では、インターネット接続回線として携帯電話回線を利用し、携帯電話の電波が届く場所から中継をすることで、通信環境が良くない場所においても無線LAN経由でのインターネット接続が可能であることを確認した。

ICT施工・管理で利用する、クラウド接続が必要な各種情報端末を現場で使用できるようになり、業務効率改善の仕組みが機能する。テレビ会議システムなども利用可能となり、離れた現場を行き来する移動時間の短縮やコミュニケーション頻度の向上が期待されるという。