暗い場所でも鮮明に映す、高感度イメージセンサ登場

近年、デジタルの眼はさまざまなシーンで活躍している。デジカメやスマホはもちろん、産業および医療分野の設備機器、街や駅などの監視システム、対話型ロボット、自動ブレーキ等の先進運転支援システム、自動運転車両ではその性能がいっそう問われる。

イメージセンサ(固体撮像素子)はいま、比較的安価で消費電力も少ないCMOS(相補型金属酸化物半導体)を用いたものが主流だ。ただし、CMOSイメージセンサは、低照度環境での撮影に弱く、画像にノイズが多くなるという性質がある。夜間や暗い場所でも機能すべき監視カメラや車載カメラ、テレビカメラ、産業用ロボット等に用いられるとき、この特性は極めてやっかいなものとなる。

そこできょう、高効率エネルギーへのイノベーションを推進するオン・セミコンダクター(米国本社:アリゾナ州フェニックス)は、近赤外線(NIR)+テクノロジを特長とする、初のCMOSイメージセンサを発表した。この技術は、ハイエンドのセキュリティおよび監視用カメラを実現するために、ハイダイナミックレンジ(HDR)と強化版の低照度性能を効果的に組み合わせているという。

AR0522は、2.2μmの裏面照射(BSI)ピクセルテクノロジ・プラットフォームを基盤とする、1/2.5インチの5.1メガピクセル(MP)イメージセンサ。低光量条件での高解像度、高品質のビデオキャプチャを必要とする産業用途向けに開発されたものであり、近赤外線波長にて既存イメージセンサの約2倍の感度を実現する。

AR0431は、2.0μmのBSIピクセルテクノロジ・プラットフォームを基盤とする、1/3.2インチの4MPイメージセンサであり、多用途の低電力モードと最大120fpsのフレームレートを提供し、スローモーション撮影、そしてバッテリ駆動のセキュリティカメラ、ウェアラブル・スポーツ用カメラ、車載DVR、一般の監視カメラに最適だという。