低線量、鮮明な3D画像で外科手術をサポート

手術中でもレントゲン撮影を可能にする、装置の可動部分がCの形であるためにそう呼ばれる。Cアームを用いて、整形外科手術や血管外科での血管内カテーテル治療は、患部の状態をX線透視しながら行われる。

外科用Cアームの動画像は、体内に挿入した処置具の位置や患部の様子が把握できるよう、高鮮鋭が要求される。また、近年被ばくへの関心が高まっていて、長時間のX線透視を行う治療や手術においては、X線動画撮影時のさらなる低線量化が求められているという。

富士フイルムは、低線量で高鮮鋭かつ高コントラストなX線動画像を実現する、外科用Cアーム型デジタル透視システム「COREVISION 3D」を新たに開発した。同システムは、2D動画だけでなく、術中に対象部位を180°相当スキャンして3D画像を描出することで、医師の正確な手技をサポートする。

長年X線静止画像で培ってきた技術を応用して昨年4月、ノイズを抑えた高鮮鋭なX線動画像を表示できるX線動画技術を開発。この技術は、動画を構成する静止画(フレーム)ごとにノイズ低減処理を施し、患者の体が動いた領域に合わせ前後のフレームを重ねて鮮鋭度の低下を抑制。フレーム数/秒が多くても、実際と動画上の動きのタイムラグを抑えて、処置具や患部等を鮮明に描出する。

そして今回、上記X線動画技術と、X線動画全体のコントラストを最適化する画像処理技術で構成される新たな「ダイナミックコアエンジン」により、対象部位のX線吸収量の違いにより発生する白つぶれや黒つぶれの抑制などの画像処理を高速に行い、高鮮鋭かつ高コントラストなX線動画像を提供する。

脊椎の圧迫骨折による椎体間固定術や膝などの人工関節置換術において、体内に挿入したインプラントやスクリュー、固定プレートの位置など、2D動画では見えにくいものをさまざまな角度から確認できるという。新システムは2018国際医用画像総合展で披露される。