大阪大学とタカラバイオは、先端ゲノム医療技術開発の臨床実装を目指し、2018年4月1日に、大学院医学系研究科に「先端ゲノム医療学共同研究講座」(以下、共同研究講座)を設置した。
共同研究講座では、次世代シーケンス解析をはじめとする高い遺伝子解析技術を活用した新たなゲノム医療の先端技術開発を行う。次世代シーケンスとは、従来のサンガー法を基にしたシーケンサーとは異なる原理に基づいた塩基配列解析装置により、数百から数億個の塩基配列データを並列に大量取得する塩基配列の解析技術を指す。また、同分野の専門的な人材の育成にも取り組み、ゲノム医療の早期の社会実装化を図る。
大阪大学とタカラバイオは、2017年8月に「がんゲノム医療の社会実装化に向けた連携推進に関する協定書」を締結した。これまでに、同協定に基づく「がんクリニカルシーケンスラボ」を大阪大学医学部附属病院内に設置している。クリニカルシーケンスは、遺伝子解析を医薬品の開発や治療などの臨床応用につなげること。患者に最適な抗がん剤を調べる手法の一つとして、がん患者のがん関連遺伝子異常を網羅的に解析するなど近年注目されている。
大阪大学によると、今回、連携推進の第二弾の取組みとなる共同研究講座の設置により、臨床に加えて学術的側面からも先端ゲノム医療を深めることが期待されるという。