JAXAと共同で災害時情報共有システムを開発

三菱スペース・ソフトウエア(以下、MSS)は、宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が研究開発を進めている「災害救援航空機情報共有ネットワーク(D-NET)」の成果の一つである「D-NET IP」の技術を「D-NET 対応『災害時情報共有アプリケーション』(DiGMaps)」として製品化し販売する。

D-NETは、災害時に被災地や都道府県庁、府省庁などにおいて、航空機などによる救援活動をより効率的かつ安全に実施するためのシステム。D-NET IPとは、D-NETの情報をインタラクティブプロジェクタを用いて入出力する技術。PCなどからのデータを、プロジェクタを用いて会議用テーブルなどに映し出し、タッチペンを使って書き込んだデータをPCに取り込む機能を持つ。

従来、災害対策本部などでは、紙の地図やホワイトボードなどを用いて災害情報や各防災機関の活動状況などの情報の管理、共有化が行われていたが、D-NET IPを用いることで、これらの情報を効率的に電子化し、共有化することが可能になる。

D-NET IPは、これまで防災訓練などで評価・改良を進めるとともに「平成29年7月九州北部豪雨」においても試行的に運用され、自治体や地方の消防本部など22の機関でその情報が活用され、より効率的な救援活動の実施に貢献することができたという。

MSSは、2017年10月にJAXAとD-NET IPに関する知的財産の利用許諾契約を締結し、製品化に向けた開発を進めてきた。2018年4月1日から防災関係機関などに向けた情報共有アプリケーションとして製品の販売を開始した。