社会・産業インフラ分野向けのデータ分析基盤

日立製作所(日立)は、機器やセンサーから得た多種多様な現場データ(OTデータ)のほか、各種業務システムなどのデータ(ITデータ)の統合的な分析・利活用を支援する、社会・産業インフラ向けデータ分析基盤を整備した。

日立は、各種機器やセンサー、業務システムからのデータなど、膨大で多種多様な形式の情報から効率的に分析目的のデータを抽出・作成できる「Big Data Discovery(以下、BDD)」と、分析者の視点でデータ構成を再定義して管理できる「NX Context-base Data Management System(以下、CDMS)」を新たに開発し、OTデータとITデータの統合的な分析・利活用の事前準備を支援する「現場データ準備・可視化サービス」、「現場データ管理サービス」として提供する。

現場データ準備・可視化サービスは、データを収集・蓄積する環境を提供し、分析目的のデータの抽出・作成を容易にするサービス。BDDにより、データ形式の統一や異なる項目名称で管理されているデータの統合といった、データ分析作業全体の大半を占めるとも言われる分析データ準備作業を効率化する。

現場データ管理サービスは、機器やセンサーなどから得られる様々な現場データの関係性を容易に管理できるサービス。CDMSにより、現場データの構成などを分析者視点で再定義することが可能。従来、各機器、センサーの仕様に精通する専門家しか取り扱えなかったデータを、様々な分析やアプリケーション開発で利活用可能にすることで、オフラインとオンラインの双方でのデータ分析の効率化・高度化が図れる。

今回提供を開始する基盤は、IoTプラットフォーム「Lumada」のアーキテクチャーを基に、国内外で開発した各種ソフトウェア群を体系化した「Lumada2.0/J サービススタック」を構成する既存ソフトウェアである、大量データを高速に分散処理するイベント駆動型フレームワーク「Hitachi Application Framework/Event Driven Computing」や、OTデータに分析に必要な情報を付与して収集する「監視制御データ活用基盤 NX IoT Gateway」に、BDDやCDMSといった新規開発のソフトウェアを組み合わせ、社会・産業インフラ向けに整備したもの。