新規がん温熱療法におけるオープンイノベーション研究

名古屋市立大学、中部大学、第一三共、三菱UFJキャピタルは、新規がん温熱療法に関するオープンイノベーション研究を開始すると発表した。

今回発表した研究では、第一三共が実施している創薬共同研究公募プログラム「TaNeDS」において共同研究を実施してきた成果を基に、腫瘍送達能の高い磁性ナノ粒子の探索と最適化、目的粒子を効率よく加温できる交番磁場発生装置の研究を通して、がん治療における新規がん温熱療法の実用化の検討を進める。

がん温熱療法は、がん細胞が正常細胞に比べ熱に弱いという特性を活用し、細胞の加温を通じて、がん細胞を選択的に殺傷する治療法。放射線治療、化学療法、がん免疫療法との併用可能性も期待されている。今回研究を開始する新規がん温熱療法は、がん細胞特異的に、かつ一定の温度で加温することで、安全性と有効性の向上を目指す治療法である。

本研究を行うために新会社「OiDE RYO-UN(オイデ リョーウン)を設立し、三菱UFJキャピタルが運営する「OiDEファンド投資事業有限責任組合」から共同研究等に必要な資金を全額出資する。

3年間の共同研究で予め合意した目標を達成した場合には、第一三共はRYO-UNの株式を全て買い取り、第一三共が自らのプロジェクトとして研究開発を進める。第一三共は名市大、中部大に対し目標達成時、販売後のロイヤリティを対価として支払うこととしている。