自動ブレーキやレーンキーピングなどの先進運転支援システム(ADAS)が花咲き、自動運転という満開の目標に向かって走るクルマは、コンピュータシステム化がさらに進む。
かつてのPCのように、車載ネットワークやマイコンといったコンポーネントの小型化・高性能化が成功の鍵となる。
であるならば、半導体集積回路の微細化つまり「プロセスノード」の寸法は重要だろう。PCの全盛期に3桁ナノメートルだったものが、2桁になっている。プロセッサやASICといったロジック半導体に加えて、メモリも、不揮発性のROMと揮発性のRAMの特長を兼ね備えたフラッシュメモリがIT(情報技術)の主流になっている。今日、ルネサスエレクトロニクスは世界で初めて、28nmプロセスのフラッシュメモリ内蔵マイコンのサンプル出荷をはじめた。
同マイコンは、より高効率で信頼性の高い次世代エコカーや自動運転車の実現に貢献するため、400MHzのCPUを最大で6コア搭載し、フラッシュメモリ内蔵の車載マイコンにおいて世界最高処理性能となる9600MIPSを達成。さらに、最大16MBのフラッシュメモリを内蔵し、セキュリティ機能や機能安全も強化した。その第一弾 として、「RH850/E2xシリーズ」のサンプル出荷を開始し、今後もこの技術を搭載した製品を順次リリースしていくという。
ルネサスは、Renesas autonomy™コンセプトの下、エコカー/電動化、コネクテッドカー、自動運転といったクルマの進化をリードするエンドツーエンドのソリューションを提供していて、28nm世代の車載制御用マイコンは、クラウドとの連携やセンシングの役割を担うR-Car SoCと両翼をなす。車両制御の要となる次世代技術を搭載した新製品は、デンソーをはじめとするTier1メーカやOEMメーカから、近未来の低燃費エンジン開発に不可欠であるなどとして引き合いがあるという。