新素材プラスチックを利用した農業用ハウスの実証実験、東農大ら

東京農業大学と日立キャピタルのグループ会社で食・農事業を手掛ける日立トリプルウィンは、両者の産学連携に基づく取り組みの一環として、サクラ化学工業が製造する新素材の炭素繊維強化プラスチックを活用した太陽光型植物工場を設置し、耐雪性・鳥獣被害対策を検証する実証実験を開始する。

CFRP農業用ハウスは、一般的な部材と比べて軽量かつ鉄の約10倍に値する強度を持つCFRPを活用するため、工事期間が短縮され、工事費の削減が可能となる。東京農業大学は高い耐候性を有する本ハウスを設置し、冬季3シーズンにわたって同ハウスの管理および検証を行い、川場村がこれまで課題としていた積雪や暴風雨によるハウスの倒壊、野生鳥獣による農作物被害といった課題を解決するための研究データを蓄積していく。


日立キャピタルグループは、約半世紀にわたって展開してきた農業分野での約7万3,000件の取引顧客基盤を活用し、日立トリプルウィンが全国の農業生産者に本ハウスの拡販を行っていく。また、将来的には農作物の栽培に適さない厳しい自然環境の地域でも農業生産を可能にする次世代農業設備として、海外での販売展開も検討していく。

東京農業大学と日立キャピタルグループは、2016年6月に国内外での食・農分野の発展に貢献することを目的とする産学連携協定を締結。2017年8月には農業生産工程管理の国際認証規格である「グローバル GAP(Good Agricultural Practice)」認証取得に向けて協業し、東京農業大学が日本の農学系私立大学で初めて取得した。日立トリプルウィンが同月よりグローバル GAP認証の取得を目指す農業生産者へのコンサルティングサービスを開始している。