前走車の検出と追跡、車間距離を時系列で制御したいシステムに

近ごろの先進運転支援システム(ADAS)および自動運転技術の進化は急速だ。目を見張るものがある。人と車、そして道路交通全体の安全性が飛躍的に高まりそうで、自動運転時代が待ち遠しいとも言える。

きょう、当サイトにて物流支援&宅配ロボットなどでもお馴染みのZMPが、車間距離計測向けステレオカメラシステム「ZMP RoboVision 2s CarTrackパッケージ」の出荷を開始と発表した。同製品はステレオカメラと物体検出ソフトウェアで構成され、前走車を検出し距離を計測するシステム。路面の傾き変化の影響を受けにくい前走車検出&追跡をする新アルゴリズム(VTS®:Virtual Tilt Stereo)を搭載しているという。

ADAS・自動運転技術制御におけるカメラを用いた車間距離の計測では、前走車の検出と追跡用にアルゴリズムの開発が必要だが、同社のシステムには双方を兼ね備えたソフトウェアが付属されている。上記パッケージでは、最大約70m先の車両の検出と追跡を最大15FPSで処理が可能で、検出結果として、物体のID番号、位置・大きさ、相対速度、方向が車載ネットワークのCANデータで、かつ時系列で出力――。

取得画像を俯瞰した画像へ変換し、距離を算出することで、路面推定高さの精度と、路面と物体の切り分け性能が向上した。CarTrackパッケージの出力は、CANバスで他システムと連携することにより、外界のセンシングや移動体の制御等に活用できるという。

ソフトウェアのユーザーインターフェースは、速度や応答性が重視される処理に向いたCLIモードと、CarTrackパッケージの動作を確認したり、計測画像から処理を再現させるためのGUIモードとを備えていて、必要に応じて使い分けが可能とのこと。

コンパクトな処理用PCが付属し、頻雑なセットアップ作業なしで利用できる。
製品の価格は、180万円(税別)だ。