視線と触覚、VRにて業務アプリに連携

仮想現実(VR)は今、エンターテインメント分野にて活用が進んでいる。他方、人手不足の解消や生産性の向上、デジタルトランスフォーメーションをめざす産業分野においても、VRの導入が検討され始めている。

VRはワールドワイドで2020年に8兆円市場に成長するとの予測(TrendForce)が出ていて、VRの法人向け市場においては、業務課題への取り組みが前提――その際、最新のインタラクション技術を連携させた高度な対応も求められているという。NECは、最新のインタラクション技術と連携した新たなソリューションの開発と、これまでの導入実績による知見を活かした最適なソリューション提案の強化を発表した。

新たなVRソリューションは、最新の次世代ヒューマンインタラクション技術「視線追跡」と「触覚フィードバック」に、業務アプリケーションを連携させ、より高度なVR体験を実現。たとえば、視線追跡技術と連携した買い物客視線を可視化する店舗棚割りシミュレーションでは、店舗における商品棚の共通棚割り情報をインプットすると、VR空間上で自動的に3Dの商品棚を生成する。

触覚フィードバック技術との連携においては、VR空間上で、工場などでの各種作業のトレーニングを体験できる従来のVRソリューションに加え、実際に物をつかんだ際の手の感触を実感できるexiii製「触覚フィードバックデバイスEXOS」を活用・連携させ、より臨場感の高いトレーニングを可能とする強化を行った。同デバイスを使った複数人による共同トレーニング作業にも対応予定だという。

今回の技術では、'16年より提案・構築を行った実績による知見に加え、NECグループ内における人間中心設計/人間工学の研究成果を反映することで、多様化する顧客ニーズに対する最適なVRソリューションの提案を強化し、法人業務におけるVRならではの付加価値、コスト削減などを実現する。