商品・医薬品の開封や濡れを安価かつ容易に検知

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代を向かえた今、物品にIDを付与する需要に加え、センシング製品の需要も高まっている。

貴金属や高額化粧品の物流における真贋判定、医薬品の使用/未使用を判定するニーズも大きい。開封検知において、通常のセンサーデバイスは価格面に課題を抱えていて、それを簡単にできるセンサーの実現が求められていたという。トッパン・フォームズは、バッテリーレスで簡易センサーとして利用可能な「開封検知ICラベル」と「水濡れ検知ICラベル」を新たに開発した。

両ラベルはIDのみを取得する従来のICラベルと異なり、IDの取得に加え内部アンテナの断線を検知することで「開封」や「濡れた」状態の把握を簡便に行うことが可能になり、人手をかけて行われる物品の管理業務の効率化や真贋判定業務の精度向上などに貢献する。

「開封検知ICラベル」は、内部の検知部と通信部にそれぞれ独立したアンテナを持つ。ラベルが破損するとアンテナの断線を検知するため、製品の不正開封や真贋判定などが容易になるなど、セキュリティ用途での利便性向上が見込まれる。多様なニーズに対応するために、NXP社のTag Temper機能を搭載したUHF帯(長距離一括読み取り用)チップと、HF帯(近距離通信、個体管理用)チップとを採用している。

「水濡れ検知ICラベル」は、基材となる紙に独自技術を用いて導電性のある金属アンテナを印刷配線。水に濡れることで紙の延伸に金属が追従できないことでアンテナが断線し、水濡れを感知する。水気に弱い物品の品質管理やライフケア領域などでの利用を想定しているという。

トッパンフォームズは、物流現場のIoT化に貢献する、これら検知機能付きICラベルのさらなる高機能化を進めるとともに、使用システムや読み取り用リーダーなどを含め、同ラベル関連で2020年度までに売上30億円を目指している。