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リスクマネジメントを超える"レジリエンス"、つくばから世界へ
事故や停滞を予防し、組織の損失などを回避する。リスク管理(マネジメント)は国際的に標準化が進み、日本でもたとえばJIS Q 3100としてその原則および指針が示されている。だが近年、それに代わる新たな概念が注目されている。
社会情勢の不安定化により、従来のリスクマネジメントの考え方や方法論では対応できない不測の事態が数多く発生し、リスクマネジメントを超える概念が希求されつつある。それは「レジリエンス」、すなわち「不測の事態や状況の変化に柔軟に対応し、求められる機能を維持提供し続け、回復する能力」だという。
セコム、大日本印刷、日本電気、DRIジャパン、電力中央研究所、日本自動車研究所、電子航法研究所、産業技術総合研究所、防災科学技術研究所、労働安全衛生総合研究所、筑波大学の11機関が参画する、「レジリエンス研究教育推進コンソーシアム」の設立が発表された。
筑波大学とつくば市および近郊地区の研究機関、企業などの連携により、リスク・レジリエンス分野における日本ひいては世界の知と研究教育の核となる活動を支援する。同コンソーシアムは、この分野における世界の知と教育の中核を目指す。セミナー、講演会、研究会、シンポジウムなどを開催し、新たな研究領域を探究するとともに、筑波大学に設置が計画されている新しい「協働大学院方式」による学位プログラムにおいて、アカデミックなグローバル人材を育成する礎になる。
大学・研究機関の研究では、基礎的・体系的なものを中心に、高度な専門性をもった研究者が学問における新たな知識を創造する。企業の研究では、応用的・実践的なものを中心に、豊富な人員と研究費により、生活に根差した新たな技術を社会へ提案する。それぞれが有意義であり、かつ大学・研究機関と企業とが壁を越えて協働することで、より効率的・効果的に新たな知識と技術を社会にもたらすことができるという。