情報セキュリティ性の高いIP監視カメラやビューワーの開発に向け協業

大日本印刷(DNP)と図研エルミックは、DNPが開発した、インターネット上でセキュリティ性の高い機器間の通信環境を構築するVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)サービス「DNP Multi-Peer VPN」のライセンス契約を締結した。

図研エルミックは、PCやモバイル端末で動画を視聴するためのマルチOS対応ビューワーソフトウェアの開発環境である「Ze-PRO SCP」を提供している。

今回のライセンス契約締結により、Ze-PRO SCPにDNP Multi-Peer VPNを組み込むことで、Ze-PRO SCPユーザーがビューワーを開発する時点でVPN機能を実装することが可能になる。

また今後、図研エルミックは、昨今IoT(モノのインターネット)化への動きが進むFA(ファクトリーオートメーション)系、車載系システムの開発に携わる顧客に対しても、積極的に提案する。

図研エルミックは、動画のストリーミングを行うための通信規格であるRTP規格や、IP監視機器の通信規格であるONVIF規格のプロトコルスタックをミドルウェアライブラリとして提供しており、国内でも監視カメラシステムを中心に多くの搭載実績を有する。

これらの実績を背景に、OS(Windows、Android、iOS)を問わずにビューワーソフトウェアが開発できるソフトウェア開発環境であるZe-PRO SCPを、主に監視カメラ開発者をターゲットに2017年6月から提供している。

しかしインターネット上で監視カメラ映像を通信する際には、映像の流出や不正アクセス対策など、情報セキュリティの確保が重要となる。Ze-PRO SCPにDNP Multi-Peer VPNをあらかじめ組み込んで顧客に提供することで、ビューワーの開発段階でセキュアな通信環境を構築し、システム開発にかかる時間とコストを削減する。

DNP Multi-Peer VPNは、複数のネットワークカメラの自動認証と機器間通信(Peer to Peer通信)を可能にするため、特別なVPN装置を必要とせず、カメラから直接、画像データを安全に送信できる。ソフトウェアをインストールするだけでVPNを実現し、同時に複数のP2P接続が可能で、図研エルミックがZe-PRO SCPのメインターゲットとしている、ONVIF準拠のIP監視カメラのソリューションに最適だという。