シェアハウスも車も、安全にスマホで解錠施錠

近ごろシェア自転車が話題だ。と、先日訪れた東京都品川区の公園にもそれが並べられていた。SNSの台頭で始まった「シェアリングエコノミー」の拡大は、コインロッカーやシェアハウスといった過去にあるものから形を変えつつ、車にも移り、多彩なサービスを生み出している。

総務省の平成27年版情報通信白書によると、その市場はワールドワイドで'25年に3350億ドル規模に成長。モノのシェアのほか、家事や介護スキル、起業アイデアのシェアリングなど、多くのサービスが提供されているなか、生活者の利便性と安全性の向上の観点から、鍵の開閉をスマホで行うニーズが高まっている。電子鍵(デジタルキー)の運用では、サイバー攻撃への対応など、よりセキュアなサービス環境が求められているという。

大日本印刷はきょう、各種シェアリングサービスやIoT(モノのインターネット)機器の利用者認証用デバイス向けに、実際の鍵の代わりにスマホアプリで鍵の開閉を行えるサービス・プラットフォームを開発したと発表。電子証明書を発行するクラウドサービスと、アプリ開発キットを提供することによって、シェアリングサービス事業者は、スマホを用いたデジタルキーの開発・運用管理の負荷を軽減でき、サービスの導入が容易になるという。

同プラットフォームは、インターネット通信セキュリティなどで広く使用されている「公開鍵暗号方式をデジタルキーに採用」したほかに、電子証明書の不正発行を防止する「パブリック認証局との連携」、車や家、ロッカー等の各種シェアサービス用のデジタルキーに加えて、オフィスや工場などのIoT機器の動作解除といった「多様なサービスに利用できる汎用性の高さ」を備えている。デジタルキーは、発行ごとに課金するさまざまなサービスで利用が可能。

不動産の内見や宅配ボックスへの納品といった一時的な利用もでき、来週「リテールテックJAPAN」にて披露される。