ソフトウェア定義ストレージ市場、今後も高成長

演算、記憶、通信という三大要素が情報処理システムには不可欠である。そして今それぞれのコンポーネントは、運用中自由の利かない固定的な構成から、ソフトウェアで定義された(Software-Defined)構成に変わり、環境変化に柔軟に対応できるものになりつつある。

"Software-Defined"は、まずサーバー仮想化で盛んとなり、ストレージおよびハイパーコンバージド(統合)インフラへと拡大――。Software-Defined Storage(SDS)について、より厳密に、汎用コンポーネントで構成された業界標準のハードウェアプラットフォーム上で、自律的なソフトウェアスタックがストレージサービスの機能を提供するものだと定義する、IDC Japanはきょう、国内SDS市場の現状と予測を発表した。

'17年の同市場は約324億円、前年比成長率39.4%となる見込み。ハイパーコンバージドは、中小規模環境を含むSDS市場全般にて、運用管理の効率化やビジネスニーズへの迅速な対応を実現するとして普及が進み、急成長が続いている。ストレージ機能のみを提供するブロック/ファイル/オブジェクトは、ITサービスプロバイダーや大手企業の大規模環境にて、ストレージの単独管理あるいは大容量データを管理するストレージインフラとしてのニーズや評価が進んでいるという。

IDCは、'21年の同市場の売上額を約835億円、'16年からの年間平均成長率を29.2%と予測している。セグメント別では、コンピュートおよびストレージ機能を提供するハイパーコンバージドが、引き続き売上規模・成長率の両面で市場の成長を牽引する存在となる。ファイルとオブジェクトは、データの容量増加や、分析等でのデータ活用ニーズに対応するソリューションとして高成長を続け、特に出荷容量でみると高い構成比を占めるとした。

詳細は同社のレポートにて確認できる。