ウェアラブル機器に最適なメモリーLCDコントローラー

近ごろ液晶ディスプレイ(LCD)はさまざまデバイスに使われていて、ウェアラブル端末などの多機能化においても重要な役割を果たしている。

なかでも記憶機能を有するメモリー液晶は、一般的なLCDと違い、一度ディスプレイ上で画像を作ると書き換え作業なしに、そのままの画像を表示し続けることが可能であり、消費電力を抑えられる。この技術分野において、セイコーエプソンは、ARM®プロセッサを搭載した世界初のメモリー液晶コントローラー内蔵マイコン「S1C31D01」を昨年4月から量産。そしてきょう、新たに開発したメモリー液晶ディスプレイコントローラー「S1D13C00」のサンプル出荷を開始した。

今回の新製品は、市販のさまざまなマイコンに接続して使用できる。3種類のホストインターフェース(インダイレクト8ビットパラレルおよびQSPI、SPI)を内蔵しているため、顧客のマイコンに幅広く対応可能で、多機能デジタルウオッチなどのウエアラブル機器に最適だという。

動画再生スピードを高める6ビットRGBパラレルインターフェース回路を搭載。そして、画像制御用のメモリー液晶コントローラーに加え、任意に2つの電圧を出力できるメモリー液晶専用の電源回路を搭載している点が最大の特長であり、顧客は、外付け部品やインターフェース系のソフトウエア開発が不要となり、製品の小型化や工数の削減につなげられる。

イベントプロセッサー回路を新たに搭載していて、ホストCPUを介さずに画像を書き換えられるため、顧客製品の電池寿命を延ばすことが期待できる。ほかに、液晶コントローラー回路を改良し、最大30フレーム/秒の高速での画像書き換えを実現。リアルタイムクロック(RTC)、DMAC、サウンドジェネレーターなどの豊富な周辺回路も内蔵している。

「S1D13C00」のマスプロダクション入りは4月、月産20万個を予定しているという。