冷凍機など業務用機器をIoTで遠隔監視

国際的にみても、日本の生産年齢人口の減少率は大きいという。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2030年の同人口は6,773万人。いまでさえも、さまざまな業種で人手不足は深刻だのに。

従来から、業務用空調・冷熱機器の故障などによる突然の運転停止が問題となっていて、計画的に運転できるサービスが望まれていた。そこに近年、少子高齢化を背景に、それらの保全作業を行っている現場でも作業員不足や、技術の継承といった課題が顕在化しつつあるという。

日立アプライアンスは、業務用空調・冷熱機器から得られる運転データだけでなく、IoT(モノのインターネット)技術を活用して得られる環境情報や他機器などのさまざまなデータを蓄積・解析・活用することで、顧客に新たな価値を提供するサービス「Exiida(エクシーダ)」シリーズを今後展開していくと発表。その第一弾として、冷凍機・チラーユニットを対象に、「Exiida遠隔監視サービス」を来月2日から提供を開始する。

「Exiida遠隔監視サービス」では、従来の遠隔監視システムサービスを進化――収集した運転データ(冷媒圧力・温度・電流値など)から正常な運転データを一定期間学習し、評価対象の運転データをデータ解析技術の局所部分空間法(LSC)を用いて比較することで、故障につながる変化を検出する「予兆診断」機能をオプションとして新たに追加。これにより、未然対応が可能になり、冷凍サイクルに関連する故障を防ぐことができるという。

同社はNTTデータとともに、日立製作所とNTTによる協創プロジェクトでのノウハウ・技術を融合し、次なるExiida遠隔監視サービスのオプションとして、冷凍機・チラーユニットの運転音解析によるスクリュー圧縮機の軸受け磨耗検知の適用を検討しているとのことだ。