RZ/Nシリーズは、PLC(Programable Logic Controller)などマスター機器向けのハイエンドプロセッサ「RZ/N1Dグループ」、HMI(Human Machine Interface)などのミッドレンジ機器向け「RZ/N1Sグループ」に加えて、リモートI/Oなどのスレーブ機器向けに特化した「RZ/N1Lグループ」がある。既にRZ/N1DとRZ/N1S用のソリューションキットは提供している。
今回のRZ/N1Lソリューションキットのリリースにより、全ラインアップの評価キットが揃ったため、幅広い産業機器に対応するネットワーク機能の評価が可能になった。RZ/N1Lソリューションキットは2018年4月に提供予定。
RZ/N1Lソリューションキットは、RZ/N1Lと周辺部品を搭載した開発ボードに加え、「EtherCAT」「PROFINET」「EtherNet/IP」などの、主要な産業イーサネットの評価を即座に始められるよう、包括的なソフトウェアパッケージも同梱している。ユーザーはこれらのソフトウェアを追加費用なしで使用することができる。
また、このソリューションキットには、機器開発をシンプルにし、さらには設計リスクを低減させる汎用API(Application Programmable Interface)も含まれている。ルネサスによると、ユーザーは開発工程における製品の評価期間を最大で3か月短縮可能だという。
このソリューションキットは高度に集積化されたRZ/N1L開発ボードが特徴の1つ。このボードによりユーザーは、デイジーチェーン構成やシステムのモニタリング機能付き末端装置の実現に使用される2チャンネルのイーサネットポートなどの機能を評価できる。このボードには、コードやデータ格納用の32MBの外部フラッシュメモリ、デバッグ用ポート、プッシュボタンとLEDが搭載され、USB経由で給電できる。
ルネサスによると、このRZ/N1L開発ボードは異なる産業イーサネットプロトコルの要求に対応したハードウェアの設計ガイドラインとなっているため、設計リスクや開発遅延を防げるという。