モノのインターネット(IoT)、ロボット、人工知能(AI)が社会のしくみと市民生活を変えつつある。いま、自動運転技術の発展もあり、SF小説や映画に登場するようなコネクティッドカーは、エンターテインメントをも乗せて走り始める。
横浜市のみなとみらい地区において、日産自動車とDeNAは、来月5日より無人運転車両を活用した交通サービス「Easy Ride」の実証実験を行う。実験には一般モニター約300組が参加予定だとした。
自動運転技術を搭載した車にモニター客を乗せ、日産グローバル本社から横浜ワールドポーターズまでの約4.5Kmを往復運行する。実験を通じてサービス仕様の評価・確認を行い、誰もがどこからでも好きな場所へ自由に移動できる新しい交通サービスの実現を目指すという。
実証実験では、モニター参加者に目的地の設定や配車などの基本的なサービスに加え、移動だけにとどまらない「Easy Ride」の強みである新しい乗車体験を提供。専用モバイルアプリで行きたい場所を直接指定する以外に、「やりたいこと」をテキストや音声で入力し、表示させたおすすめ候補地の中から行き先を選ぶこともできる。
乗車中には走行ルート周辺のおすすめスポットや最新イベントなど約500件の情報が車載タブレット端末に表示されるほか、店舗などで使えるお得クーポンを40件程度用意している。両社は、乗車する人の安全安心のために、走行中の車両の位置や状態をリアルタイムで把握可能な遠隔管制センターを設置していて、今回、両社の先進技術を融合させたシステムによる遠隔管制のテストも行う。
IoTオープンイノベーション・パートナーズ(I・TOP横浜)の取り組みの一つであり、さがみロボット産業特区の重点プロジェクトにも位置づけられている今回の実証実験、そしてさらなるサービス開発などを経て、「Easy Ride」は2020年代初めに本格展開の見込みだ。