2017年の国内ITサービス市場は、前年比1.4%増の5兆5,389億円

IT専門調査会社であるIDC Japanは、国内ITサービス市場予測を発表した。国内ITサービス市場は2018年以降も緩やかな成長を継続し、2022年には5兆8,593億円になる見通し。

同調査によると、国内ITサービス市場は2014年から2015年にかけて、2年連続で3%を超える成長を実現したが、2016年に入ると金融機関や官公庁/地方自治体における大規模プロジェクトが終息に向かった影響により、成長率が鈍化した。2017年も大規模プロジェクト終息の影響は残り、1%台の成長率に留まったという。

2018年以降の国内ITサービス市場は、金融機関によるFinTech活用、組立製造業によるIoT(モノのインターネット)導入などのデジタルトランスフォーメーション(DX)に関連するシステム投資が徐々に存在感を強めていく。2020年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックによる支出拡大効果も見込まれる。

しかし、2021年には反動減となり、国内経済の低成長見通しや、ITサービスの代替製品/サービスの拡大は、市場成長を阻害するという。2017年~2022年の年間平均成長率(CAGR)は1.1%で推移するとIDCでは予測する。

大規模なシステム構築プロジェクトに依存した成長モデルの限界が近づく中で、ITサービスベンダーが成長を持続するためには、自らのDXを推進し、DX時代に対応した人材を整備する必要がある。

IDC Japan ITサービスリサーチマネージャーの木村 聡宏氏は「DXを実現する上で、既存システムも含めたエンタープライズIT全体の変革は避けられない。個別の業務やテクノロジーに特化した取り組みだけでなく、ITサプライヤーは、DX時代のあるべきITという視点から、企業のDXを支援すべきである」とコメントしている。