AIにてIT部門の業務予測、環境づくりを支援

昨今その活用がさまざまに取り沙汰されている人工知能(AI)は、端的に言えばコンピュータである。自律型の情報処理装置であり、データの演算装置なのだが、メディア等に報じられるAIの利用シーンは、企業・団体で情報技術を司るIT部門とは遠いところにあるようだ。

ビジネスを支える情報処理システムを構築・管理・運用する、IT部門はその道のプロ集団であり、もともとICT(情報通信技術)にも明るい。けれども日々、セキュリティパッチを当てたり、構成変更をしたり、障害対応に追われたり、システムの検証・移行作業に時間を費やしたりしている間に、ビジネス価値を最大化するシステムの技術知識を備えたエンジニアが離れていくなどして、部門のスキルおよび人材不足に陥る危険性がある。

そこで、シスコはきょう、IT部門が"本来の業務"に集中できる環境づくりをサポートする、新しいサービスポートフォリオの拡充――AIを利用したプレディクティブ(予測)サービスを発表した。IT障害の予測、リスクの緩和、メンテナンスコストの削減を実現するとともに、ビジネスの変革に必要な人材獲得を目指す組織を支援するという。

サービスポートフォリオは、ビジネスの課題をチャンスに変える「アドバイザリ サービス」、新規ビジネスの利益創出時間を縮める「導入サービス」、ビジネス促進用ITインフラ性能を最大化する「最適化サービス」、現在の技術を管理して未来の変革につなげる「マネージド サービス」、TAC在籍エキスパートによる「テクニカル サービス」、ビジネス変革を真に実現する人材を育成する「ラーニング サービス」からなる。

予測的かつ先行的機能を提供する同社の「ビジネスクリティカルサービス」と「ハイバリューサービス」により、ユーザーは、IT予算のより多くの部分を技術革新や技術スキルのギャップを埋める人材育成に投資できるようになるという。