開発と運用、両プロセスを調和させるツールの今、そして未来は

およそ10年前に海外で発表され、近年日本でも採用の波が広がっている「DevOps」。それは企業など、効率性と生産性を品質とともに追求する組織において、開発担当(Development)と運用担当(Operations)が連携してアプリケーションソフトウェアをつくっていく手法だ。

ビジネス能力を高めることを目標とし、ビジネスを支えるアプリケーションの開発からオペレーションまでのプロセスを通して複数の組織や担当者が共同で取り組む際の必要な方法論と一連のプラクティス(実践)と定義。これを実現するDevOpsソフトウェアは、組織の構造と開発/オペレーションプロセスの両方に体系的な変更を加え、各プロセスの調和を図るために必要となるツールだという。IDC Japanはきょう、国内DevOpsソフトウェア市場規模の実績と予測を発表した。

同市場は'17年に前年比成長率16.1%で166億円超。トライアルやパイロットを含む小規模DevOpsを実践する企業が増えつつあり、今年からは組織全体でその実践を本格化させる企業が増えて、同ソフトウェアの使用率が高まり、'20年まで20%以上の成長率が続くと見ている。IDCでは、'22年に427億円に達すると予測。

短期的にはアプリケーションライフサイクルへの投資が優先し、中期的にはアプリケーションの実行環境への投資にシフト。アプリケーションデプロイの自動化/管理/監視ツールなどオペレーション管理ソフトウェア市場が拡大していく。今後は、DevOpsソフトウェアの提供形態にも変化が出てくると考えられる。同ソフトウェア市場におけるパッケージソフトウェアの売上額構成比は'17年に75%だったが、'22年には56%にまで下がる。一方、DevOps向けクラウド市場が成長していて、PaaS、SaaSでそのサポート機能が拡充されるという、詳細は同社のレポートで確かめられる。