世界No.1クラウド運用テンプレートを金融業界向けに

昨今、IT(情報技術)は「所有するもの」から「利用するもの」へと変化した。さまざまな業界において、コスト削減だけでなく、ビジネススピードの向上、環境変化へ迅速かつ柔軟に対応することを目的に、日本でもパブリッククラウドを活用するケースが増えている。

同クラウド分野で世界的に圧倒的なマーケットシェアを握っているAWS(アマゾンウェブサービス)は、先日あのマイクロソフトを抜いて株式時価総額で世界第3位になったAmazon.comの、ITサービス事業分野の核であり、牽引車だ。ただし日本国内においてはまだ、金融機関などに利用をためらわれている。

AWSの、金融業界における本格利用・大規模展開を支援するとして、TISはきょう、「金融業界向けAWS運用テンプレート」の提供開始を発表した。APNプレミアコンサルティングパートナーとして100件以上の導入実績で培ったノウハウをもとに作成したこのテンプレートは、金融業界特有のFISC(金融機関システム安全対策基準)対応やPCI DSS(クレジットカード取扱事業者向け国際セキュリティ基準)対応など、その活用により、金融業界の顧客のAWSへの移行をスムーズに実現するという。

運用テンプレートは、「クラウド利用ガイドライン」と「統合運用管理基盤」の2群に集約。

前者では運用やセキュリティなどのガイドラインテンプレートを提供。業界標準ガイドラインやセキュリティ基準に準拠したテンプレートを用意し、TISが個社ごとのポリシーとのフィット&ギャップを実施し、クラウド利用におけるルール整備を効率化する。そして後者では、サービスデスク、障害監視、ログ管理、踏み台/アクセス監査をまとめた「基本サービス」と、セキュリティ対策やパッチ配布といった各種「オプションサービス」のメニュー構成により、金融業界の顧客に最適なクラウド運用環境を短納期・低価格で提供するという。