ブロックチェーンの実験環境、保険業界へ

各国の中央銀行もデジタル通貨や仮想通貨の基盤技術候補として研究している。ブロックチェーン(分散型台帳)は改ざんが困難であることから近年、金融業界のみならず、医療・ライフサイエンスや知的財産、契約管理などの分野でも注目されている。

ブロックチェーンを活用した新たな試みが活発化。その中でも保険業界では支払い査定や医療情報、天候デリバティブなど複数の取り組みを進めていて、ブロックチェーン技術への関心が高くなっているという。NTTデータは、保険業界に特化したブロックチェーン技術検証に関する実証実験環境サービスを本日より提供開始すると発表した。

これまで貿易書類や保険証券など多数のブロックチェーンに関する実証実験を積み重ね、ブロックチェーンに関する知識や技術力を蓄積してきた。そして今回、その知見を生かし、保険業界におけるブロックチェーン活用への取り組みをサポートすることを目的として、無償で実験環境を提供することになったという。

同社は、複数の保険会社や代理店等における情報共有を想定した、ブロックチェーン環境基盤を利用する保険会社に、複数の検証用アカウントを払い出す。これにより、保険会社間や保険会社-代理店・関連企業間での情報共有などの他企業連携だけでなく、保険会社の本社-支社間など社内に閉じたケースにおける双方向の情報連携も実現できる。

また、簡易にユーザーインターフェースを作成するために、表計算ソフト操作による自由度の高い画面生成ツールも無償で提供。インターネットに接続できる端末があればシステム従事者でなくとも業務設計が可能となる。

検証環境の利用期間は今年9月までを予定している。NTTデータは、保険業界に特化したブロックチェーン実証実験環境を提供することで、保険会社等のブロックチェーンビジネスの取り組みおよび要望に応じた実用化に向けた支援をサポートしていく考えだ。