国内初! 5G+高精細立体モニターにて遠隔施工

最新ICT(情報通信技術)を活用した様々な取り組みは、労働力不足に直面しているこの国を救う。だけでなく、危険な現場においては人の安全を確保しながら作業効率を上げる、未来型の働き方を可能にする。

建設機械を用いての災害復旧など、危険作業においては今、建機の無人運転ニーズが高まっている。オペレーターが離れた場所から映像を頼りに建機を操作する、遠隔操作はしかし、搭乗操作に比べ建機の動作が遅くなるため、作業効率が50%~60%程度に低下する。これは建機に設置したカメラからの映像と建機を俯瞰する映像のみを頼りに作業を行うことが主な原因だという。

KDDI、大林組、NECの3社は、次世代移動通信システム「5G」と「4K3Dモニター」を活用した遠隔施工(動画:YouTube)に国内で初めて成功したと発表。5Gの高速・大容量通信を建機の遠隔操作に応用し、既存モバイル通信では実現困難だった高精細映像の伝送を実現――オペレーターの負荷を軽減し、作業効率を従来比で15%~25%改善したという。

実証試験では、現行の建機に高精細4Kカメラを2台、2K全天球カメラを1台、2K俯瞰カメラを2台設置し、計5台からの映像を28GHz帯の超多素子アンテナによるビームフォーミングを活用して遠隔操作室に伝送。裸眼でも自然に立体視が可能な4K対応の3Dモニターを備えた同操作室では、従来モニターよりも奥行を正確に捉えられ、作業効率を大幅に改善できることを確認した。

3社は、総務省の技術試験事務における5G総合実証試験として行った今回の成果により、遠隔地からでも繊細な操作が可能となるため、人が立ち寄ることができない災害現場においても復旧作業を安全かつ迅速に進められるとした。「5G」を活用したICT施工の実現に向けて、「建機の無人化」「リアルタイム遠隔施工」など高度な建設技術の実現を目指す構えだ。