情報通信
世界No.1クラウドのユーザー設定リスクを洗い出す
近年、IT(情報技術)の潮流は「所有」から「利用」へと移っている。単にコスト削減をめざした方針転換ではなく、ビジネススピードの向上、環境変化へ迅速かつ柔軟に対応することを目的に、日本企業でもパブリッククラウドを活用するケースが増えている。
同クラウド分野で世界的に圧倒的なマーケットシェアを握っているのはAWS(アマゾンウェブサービス)だ。世間でネット通販会社だと思われているアマゾンは、そのクラウド事業が老舗ITベンダーのビジネスを凌駕していて、株式時価総額であのマイクロソフトを抜き去ろうとしている。(編集部注:米現地時間の14日、Amazon.comは株価が急伸し時価総額で世界第3位になった。)
AWSを採用する企業は、オンラインで即座にリソースを調達できるそのスピードを重視するなどして、自社でそれを使用したシステム構築を行う傾向が強くなっている。一方、その用途が開発環境やテスト環境から本番環境へと広がるにつれ、事業部門が独自ルールで構築したシステムについて、セキュリティーの万全性や事業継続性を懸念する企業も少なくないという。
SCSKは、顧客のAWS環境の適性を診断する「クラウド診断サービス for AWS」を今月15日から提供開始する。これまで同社が100社以上のAWSの構築・運用を手がけた実績から見えてきた、企業がAWS上にシステムを構築する際に外せないポイントを網羅した診断項目をもとに、ユーザーのAWS環境を診断し、その結果と対策を診断レポートの形式で提案する。
今回のクラウド診断サービスは、「セキュリティー、コスト、可用性および管理の観点から、利用中のAWSの設定ミスによるリスクを洗い出し」、「診断結果を対策案とともに提示」、「AWSに精通したエンジニアによる対面での説明」といった内容を備えていて、今後1年間で100社以上への導入をめざしているとのことだ。