AI活用でタクシーの待ち時間を短縮、ドコモが乗車需要予測サービスを提供開始

NTTドコモ(以下、ドコモ)は、人工知能(AI)を活用したドコモのリアルタイム移動需要予測技術でタクシー乗車需要を予測するサービス「AIタクシー」を提供開始した。

AIタクシーは、現在から30分後までの未来のタクシー乗車需要の予測結果などのデータをオンラインで配信するサービス。タクシー運行データや気象データ、周辺施設データなどの多様なデータに加え、ドコモの「モバイル空間統計」のリアルタイム版(以下、人口統計データ)を活用する。

日本各地の性別や年齢層など、属性ごとの人数分布の移動による変化をリアルタイムに把握しながら、各データを人工知能で分析することで、乗車需要を10分ごとに予測する。同社によると、広域で人数分布の移動による変化をリアルタイムに把握できる人口統計データと、人工知能を活用したタクシー乗車需要予測のサービスは世界初になるという(2018年1月時点)。

AIタクシーの提供価格は、営業区域数とタクシー車両台数により異なる。初期導入費用は30万円から、月額利用料は車両1台あたり900円前後で提供する。また、導入を検討している企業に対しては、初期導入費用がかからない利用期間限定のお試しプランも提供する。

近年、海外からの顧客も含め、観光需要の高まりで移動需要が伸びていく一方、人口減少や超高齢化社会に直面する日本において、ドライバー不足や交通空白地といった交通課題は切実な問題だ。また、企業における働き方改革や生産性革命の実現が求められている。

ドコモはAIとIoT(モノのインターネット)の活用で、未来の移動需要を見える化し、移動需要に応じた最適な移動手段の供給を可能とすることで、タクシーをはじめ、様々な移動手段の効率的運行による交通全体の最適化に取り組んできた。

同社は2016年度から東京23区、武蔵野市、三鷹市や名古屋市における実証実験を通して、リアルタイム移動需要予測技術の確立に取り組み、一定の効果を確認。大阪市、福岡市などの他のエリアにおいても試行運行を進めてきた。