バイモーダルITを統合、自律運用させる

製造や金融、流通・運輸会社などの基幹業務を担っているITシステムはSoR(System of Record)。インターネットやモバイル端末の普及を受けて、顧客や消費者などとの関係を密にしてビジネスにつなげる仕組みをSoE(System of Engagement)という。

確実な演算と記録を専らにするSoRは、効率化によってコスト削減や安定稼働などを実現する「守りのシステム」とも呼ばれる。一方、SoEは、ソーシャルネットワークサービスをはじめ、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)といった技術を駆使して新たな価値を生み出そうとするものであり、「攻めのシステム」とも称されている。

近年、様式の異なる両者を連携させる情報技術「バイモーダルIT」が提唱されている。しかしそれは、複数ソフトウェアの導入が必須だったり、システムエンジニアによる高度な作業が必要だったりして、多大なコストがかかる。また、SoEでは、単なる「守りの運用」だけではなく、より効果的にビジネス展開するためのシステムの維持・安定、インフラや作業で発生するコストをもトータルに考え管理する「攻めの運用」が求められているという。

NTTデータ先端技術は、それら運用コストのトータルマネジメントを実現するOSS統合運用管理ソフトウェアの新バージョン「Hinemos ver.6.1」を本日から提供開始すると発表した。

新バージョンでは守りと攻めを両立させる、リアルタイムなシステム状況把握と未来を予見した予防保全、自律運用が可能となる「運用アナリティクス」を実現。追加のソフトウェア不要で、さまざまなメッセージや性能値、パケットキャプチャーやバイナリログなどのデータ収集・蓄積ができる。蓄積データを活用して、傾向や複数の値の相関など――単一性能値を見張るだけでは検出不可能だったサイレント障害の監視も容易に行えるという。