ICT農業とともに新たな純米大吟醸酒が誕生!

日本酒ブームが来ている。海外でも和食人気と合わさり、酒米の栽培を始めたところがあるほどに。だが酒造好適米の最高峰「山田錦」は栽培が難しい。収量が安定せず、営農の視点からは好適の作物とは言えないだろう。課題を情報通信技術(ICT)で解決する取り組みが始まっている。

日本国内では、主食としての米でさえ需要低下に見舞われていて、需給調整の見直しなど、新たな販路の確保や付加価値の高い米の栽培といった稲作農家へのサポートが重要になっているという。ヤンマーは、農業の機械化・省力化・資源の有効活用に加え、加工・流通・販売を含む「食のバリューチェーン」を目指していて、'16年設立のバイオイノベーションセンター倉敷ラボでは稲の品種開発や水田土壌の改良などの研究を進め、'17年設立のファームアイでは、リモートセンシングにより圃場の生育状況を見える化する提案など、ICTを活用した営農支援の提供を行っている。

そしてきょう、リモートセンシングや土壌診断など、次世代の稲作に欠かせないヤンマー独自の営農・栽培支援を活用した酒米ソリューションの提供を今年4月より本格的に開始すると発表した。

ヤンマーの酒米ソリューションは、「酒米契約栽培による日本酒メーカーとの販路マッチング」により生産者の安定経営と実需者の安定的な仕入れに貢献し、倉敷ラボと名古屋大学とによる「酒米(種子)の研究開発」、「ヤンマーがもつ豊富な営農・栽培支援を活用」といった体制のもと、今回、第一弾として、米へのこだわりを灘の西郷で300年続けてきた「沢の鶴」の純米大吟醸酒に結実した。

原料米を50%以上磨き上げ、米と米麹のみを使って醸造する純米大吟醸酒は、香り控えめで、米本来の旨みを楽しめる。これに今回発表のソリューションによって生産された独自の酒米を100%使用した、「沢の鶴 X01」は4000本限定で、今月26日より販売される。