IoT活用による発電所の運転・維持管理業務の最適化

東京電力フュエル&パワー(以下、東電FP)は、東京電力ホールディングス(以下、東電HD)と協力し、IoT(モノのインターネット)を活用した火力発電所運用支援サービスを開始した。遠隔監視センターを運用開始し、発電所の運転管理業務、維持管理業務の最適化を図る。

東電FPは、このサービス開始に向けた実証のため、2015年12月から自社の発電所において、国内外のIoT技術の有効性を検証してきた。

この検証の一環として、2017年1月から東電FP内に設置した遠隔監視センターの試験運用を開始。常陸那珂火力、千葉火力、富津火力、品川火力で発電効率向上による発電所の運転管理業務、維持管理業務の最適化できることを確認。

具体的には、燃料使用量の1ユニットあたり年間最大約7,000万円の削減、不具合の高度な予兆検知から不具合停止を10~20%削減する改善が図られた。2018年1月からDACの本格的な運用を開始した。

今後、国内外の発電事業者に対する燃料使用量の削減、稼働率の向上に関する解決策を提供することで、火力発電所運用支援サービスとして3年以内に年間50億円の売り上げを目指す。また、国内および海外の発電プラントにおける燃料費をはじめとしたコスト削減ならびにCO2など温室効果ガスの削減を支援する。

また東電HDは、国内外のIoT関連企業と提携し、この運用支援サービスの基盤となるプラットフォームの開発と、提携企業が提供するソフトウェアの選定とシステム構築を積極的に企画推進してきた。今後、プラットフォームの拡張性や汎用性を高め、東京電力グループ各社のみならず、国内外の発電事業者に向けた基盤サービスを提供する予定。

両社は今後、遠隔監視センターを活用し、国内および東南アジアをはじめとした海外の発電事業者に対して、運用支援サービスとプラットフォームの総合的な提供を推進する。また、引き続き最先端のIoT技術を調査・発掘し、発電事業者に対するサービスの拡充に努める。