銀行契約書の承認、フローをブロックチェーン基盤にて

金融とITを融合させたフィンテックが広がりを見せている。近年、各国の中央銀行などが研究を進める仮想通貨の中核技術であるブロックチェーン(分散型台帳)は、データの改ざんを非常に困難とするために、フィンテックでのみならず、契約や知財管理でも活用が進んでいる。

そしてきょう、富士通は、ジャパンネット銀行と、電子化された契約書の承認フローの有効性がブロックチェーンで担保可能かを検証する実証実験を、本日より約2カ月間行うことを公表した。

実証実験では、電子化された契約書からハッシュ値(データが不変で有る限り、値が変動しない固有情報)を生成し、クラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」上のブロックチェーン基盤に記録する。契約書の確認時に、確認対象の契約書のハッシュ値とブロックチェーン上に記録されているハッシュ値の一致を比較することで、改ざんがされていない正式な契約書であることを証明するという。

ジャパンネット銀行では、社外関係者との契約書のやりとりにも今回の仕組みを活用できるかを検証するため、2つのブロックチェーン基盤を使用する。一方、富士通は、異なるブロックチェーン基盤間でハッシュ値を照合できるアプリケーションを提供し、双方を連携させた承認フローの有効性を確認する。

今回のシステムを、ブロックチェーン基盤を実装したK5をベースに、ブロックチェーン技術の活用実績を有する富士通北陸システムズと開発する。富士通は、このたびの実証実験を通じ、高いセキュリティで管理できるジャパンネット銀行の契約書の電子化を進め、ペーパーレス化と業務効率化を支援していく構えだ。