IoT時代にデータを無意味化する、秘密分散技術でログ管理

昨今、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」が産業界に普及しだした。それはスマートホームやコネクティッドカー(つながる車)、消費行動などを対象にした人工知能(AI)によるビッグデータ分析の台頭などを背景にして、社会生活の中にも溶け込み始めている。

生産効率を高めたり、利便性を向上させたりする。IoTの利用分野では、制限された通信環境下において、通信速度や費用の制約により一元的に集約できないデータを、安全に分散して管理することが求められている。エンタープライズIT(情報技術)システムに比べると、セキュリティ対策が遅れている、脆弱性のあるIoT機器を狙ったウイルスが世界中に出回っている。感染機器を遠隔操作して標的に妨害データを送りつける大規模なサイバー攻撃が、米国などで深刻化しているという。

IoTの普及が進む中、日本国内でIoT機器を狙ったコンピューターウイルスの感染が、昨年11月に前月の100倍に急増し、大規模なサイバー攻撃の危険が高まっているとしたIIJの調査結果を紹介する、ウフルとゼンムテックはきょう、両社が昨年4月に発表した業務提携に基づき、「IoT時代に最適なログデータ管理の特許」の第二弾を共同で取得したと発表。

昨年12月に公表した、データを無意味化するAONT(All-or-Nothing Transform)方式の秘密分散技術を用いて効率的にログデータを管理する発明「ログ管理システム、ログ管理装置、方法及びコンピュータプログラム」に続いて、今回取得した特許は、IoTデバイスが生成する大量のログデータであっても、ログデータを秘密分散して、分散片の大きいデータと小さいデータとで通信経路を切り替えることで、効率的に管理することを可能にするという。

今回の特許技術は、ウフルが提供するIoTオーケストレーションサービス「enebular」の有償ノードとして組み込まれている。