位置情報をベースにした出店戦略や広告戦略の策定を実現

日立ソリューションズは、住所の正規化や名寄せなどのデータクレンジング機能を搭載し、高品質なデータでエリアマーケティングを支援する「GeoMation 位置情報活用マーケティングソリューション」の販売を開始した。

近年、IoT(モノのインターネット)が普及し、人やモノの流れを可視化・分析して活用するデジタルマーケティングへの関心が高まっている。今回発表したソリューションは、大量データの地図上でのスムーズな表示に特長を持つ空間情報ソリューション「GeoMation」で培ってきたノウハウをマーケティング分野に提供するというもの。

同ソリューションは、顧客情報、購買情報、スマートフォンやセンサーなどから取得するIoTデータを統合する際の品質を高めるため、データクレンジング機能を搭載している。具体的には、住所の誤入力や古い情報の正規化、名寄せ・世帯名寄せなどを自動で行うことができ、最新の情報を基にした高精度なデータ統合により、二重登録による広告の重複配信の防止、世帯単位でのマーケティングに活用できる。

導入企業は、本顧客情報やIoTデータ、各種統計情報などを分析でき、それを地図上に可視化することで高精度な商圏分析や出店戦略の策定が可能になる。また、顧客のリアルタイムの位置情報をベースとしたクーポンのプッシュ配信など、効果的な広告戦略を策定できる。

複数の顧客情報の統合時には、住所や名前、電話番号などの正規化・書式整形を行い、重複削除や名寄せを実施。特に、名寄せの精度向上に重要な住所情報正規化おいては、市町村の住所改定や海外の住所にも対応し、最新の情報に正規化する。さらに、住所情報が一致するメンバーを家族として世帯名寄せ行う。導入企業は、最新の情報でデータを統合し、ダイレクトメールの重複配信の防止や、世帯単位でのキャンペーン情報の提供など、顧客満足度の一層の向上が図れる。

また、実店舗やECサイト、SNSの顧客情報や購買情報、スマートフォンなどのIoTデバイスから取得する大量データ、各種統計情報などを統合・分析する。顧客の性別や年齢、収入などの顧客属性や嗜好、来訪頻度などの行動パターン、現在位置を地図上で可視化。商圏分析や出店戦略策定に加え、顧客の位置情報を活用したスマートフォンへの広告のプッシュ通知、通行人の属性に合わせたデジタルサイネージへのコンテンツ配信など、効果の高い広告戦略を策定できる。

さらに、国土地理院の地図や国内の主要な市販地図コンテンツ、国勢調査や経済センサスなどの複数の統計情報を用意。名寄せした顧客情報に統計情報を紐づけることで、個人特性を付与してマーケティング戦略の評価、修正などが実施できる。

GeoMation 位置情報活用マーケティングソリューションの販売価格は、個別見積もりとなる。同社は今後、日立製作所が提供する人工知能「Hitachi AI Technology/H」や日立ソリューションズが培ってきたAI(人工知能)技術で分析した結果を、地図上に可視化するよう取り組んでいく。