5G時代にネットワークの最適化を実現する新技術を導入

ソフトバンクは、モバイルIPコアネットワークのパケット転送において、よりシンプルで柔軟な転送を実現し、ネットワーク運用の最適化を図る新技術「セグメントルーティング」を導入し、2018年1月から全国のモバイルIPコアネットワークで運用を開始していることを発表した。

セグメントルーティングは、第5世代移動通信システム(5G)で、次世代モバイルIPコアネットワーク構築時のシンプル化・最適化を実現する新技術として期待されている。

従来のモバイルIPコアネットワークのパケット転送は、「ラベル」と呼ばれるタグと転送経路のパス情報を全てのルーターに配布し、それぞれのパケットにラベルを付けて転送している。中継するルーターはラベルを見てパス情報に基づいて転送することを繰り返しながら、目的地までパケットを送っていた。

これまでの方式では、ラベルとパス情報の配布がそれぞれ別々に処理されるため、経由する全てのルーターが多くの情報を保持する必要があった。ソフトバンクによると、ルーターの追加など、ネットワーク構成が変わるたびに最適な転送経路パス情報に更新するための大掛かりなメンテナンスをしなければならず、設計の複雑化や拡張性の低さ、管理コストの増加などの課題があったという。

今回導入したセグメントルーティングは、ラベルはルーティングプロトコルの拡張で処理でき、パス情報の配布は不要になる。入り口のルーターが転送経路のパス情報を持ったセグメントIDをパケットに付けることで、経由する全てのルーターがパス情報を持つ必要がなくなり、最適な経路でパケット転送できる。

セグメントルーティングの導入により、IPコアネットワークの設計がシンプルになり、今後のサービス拡張や増大するトラフィックに柔軟かつ速やかに対応することが可能となるだけでなく、設計や管理に必要なリソースも削減する効果が期待される。