ビッグデータ活用に向けて、双方をつなぐAPIマーケット始動

人工知能(AI)や、モノのインターネット(IoT)といった先端技術を駆使してつくる「超スマート社会」。これを目指す我が国においては一昨年末から昨年にかけて、官民データ活用推進基本法の制定や改正個人情報保護法の全面施行などといった法整備が進められ――。

データ主導経済と社会の変革を実現する。「ビッグデータ利活用元年の到来」を謳ったのは総務省の平成29年版情報通信白書である。そして、この白書を引きつつ、近年、ビッグデータの利活用は経済成長やイノベーションの促進に資すると期待されているとしたのはKDDIであり、同社は明日から、多様なAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)を活用することで、新たなIoTサービスの創出を促進する「KDDI IoTクラウド API Market」の提供を開始する。

天気、地図、音声合成、画像認識など、新しいサービスを開発する上で役に立つAPIをラインアップしていて、API利用者は自社の保有するデータと連携したサービス開発が行えるという。今回のマーケットプレイスは、従来新規にサービスを開発したい企業がAPIも自社開発するか、個別に外部のAPIを探して契約するかしかなかった課題を解決――多彩なラインアップの中から最適なAPIを選んでサービス開発へと向かう、スプリングボードとなる。

例えば、ウェアラブルデバイスの開発企業が新しいサービスを開発したいとき、自社のスマートウォッチから収集した活動量のデータと、同マーケットプレイスにある食事画像認識APIを利用することにより、収集した摂取エネルギー・栄養素の記録データを組み合わせ、その日の活動量に応じたカロリーの食事メニューを提案するサービスを開発することができる。

API Marketでは、今年3月より共に「安全管理ソリューション」の実証実験に取り組むウェザーニューズ社からの気象予測モデルも入手できる。