昨今、触れて操作する機器が主流だ。昔のガスレンジや給湯器、あるいは工作機械のように、カチッとかガチンとか音を立ててスイッチを入れるのではなく、スマートフォンのように軽やかにタッチして操作する。
タッチキー向けに、ルネサスはきょう、32ビットマイコン「RX130グループ」の上位ラインアップを拡充したことを発表した。同社のタッチキーは、「自己容量方式」と「相互容量方式」に対応していて、感度および耐ノイズ特性を大幅に向上している。両方式により、木材、ガラス、厚いアクリルなど、従来使用が難しかった材質や、誤動作が発生しやすい水に濡れた環境でも正確な動作を実現するという。
濡れたり汚れたりするようなキッチンや浴室、手袋をして作業をする工場内の機器などにも適用できる。静電容量タッチインターフェースを最大36チャネル搭載したRX130マイコンは、家電製品、ビルや産業オートメーション市場における多言語サポート、HMIや機能安全などを背景にしたメモリサイズや制御端子の増加といったニーズに応えるため、フラッシュメモリを最大512KB、ピン数を最大100にした。ラインアップの拡充により、設計の自由度を増した。
スケーラビリティの向上したRX130は、グループ内マイコンに加えて「RX230」、「RX231」とも互換性があり、タッチコントロールや5Vシステム制御ソリューションの高性能化を、シームレスな製品展開により容易に移行を実現。さらに、RX130の512KB、100ピンに対応したFirmware Integration Technology(FIT)ドライバパッケージが、RXファミリ内でシームレスに移行できる共通APIを提供し、設計者のプログラム開発の負担を軽減する。
3V/5V動作の家電製品、ビルディングオートメーション、産業オートメーション機器のタッチキー向けマイコンとして最適だという。