現在、市場の拡大によりECで商品を購入する機会が増える中、購入者は、価格や配送までのリードタイムに加え、いかに自分が欲しい商品を直ぐに見つけることができるのか、また注文した際の対応やアフターサービスの充実度などで、購入するECサイトを決める傾向が高まっている。また、注文時や配送後の対応方法やトラブル発生時の対応によって、購入者がリピーターになってくれるかが大きな課題になりつつある。
EC事業者も購入者に選ばれるための売り場(ECサイト)構築や顧客満足度向上活動での差別化を進めているが、新規で事業を始める場合や事業を始めて間もない通販事業者は、どうしてもECサイトの管理や商品企画、コンテンツ制作、商品の梱包や発送作業など多くの業務を少人数で行わなければならない。そのため、十分な顧客満足度向上の取り組みができていないのが現状だ。
特にECサイトの管理においては、ショッピングカート機能、決済機能、配送支援機能が一体となったものが少なく、機能を提供するベンダーごとに契約を結ぶ必要があり、管理画面が別々となるなど、業務が煩雑となっていた。こうした課題に対応するため、今回、ヤマトフィナンシャルが新たにショッピングカート機能を構築し、さらにヤマトグループが持つ決済と配送支援機能を一体化させ、EC事業運営がより簡単に可能となるプラットフォームの提供を開始するという。
らくうるカートでは、EC事業開始時に必要となる商品管理、受注管理といった通常のショッピングカート機能に加え、クレジットカードでの決済や、コンビニエンスストアなどをヤマト運輸の宅急便の受け取り場所に指定できる「受取場所選択サービス」などヤマトグループが保有する各サービスと連携した機能を利用できる。
通販事業者は、らくうるカートを導入することで、ヤマトグループの各種サービスと連携でき、決済、配送支援およびカート機能をワンストップで利用可能。また、配送用の送り状発行やオンライン決済の売上確定・変更が、らくうるカートの管理画面で操作できるため、ネットショップの日々の運用が効率的に実施できるという。
らくうるカートには「ライトプラン」「レギュラープラン」の2種類がある。同サービスの基本機能だけを利用できるライトプランは、初期導入費用が3,000円(税別)、基本料金が1年当たり3,600円(登録料/更新料)、利用手数料が受注金額の1%となっている。商品登録数などの制限を無制限にし、今後の機能拡充にも対応するレギュラープランは、初期導入費用が5,000円(税別)、基本料金が1年当たり3万6,000円(登録料/更新料)、利用手数料が無料となっている。