製造業向けブロックチェーンでサプライ・コラボ実現へ

昨今、仮想通貨の基盤技術として脚光を浴びているブロックチェーン(分散型台帳)だが、その適用分野は金融に限らない。低コストでシステム化できるうえに、改ざんが困難であるため、公共サービス、契約や資産・知財管理などでも応用が進んでいる。

それは「第4次産業革命」(内閣府サイト参照)がもたらす新しい情報活用時代に必要不可欠な技術になるという。NTTデータは、米国Skuchain社と、主に日本の製造業向けにブロックチェーンのビジネスを共同展開することで合意。NTTデータのビジネスコラボレーションプラットフォーム「iQuattro®」サービスを拡充し、サプライチェーンにブロックチェーンを適用する新たなソリューション展開を進めることを発表した。

Skuchain社は、世界に先駆けてブロックチェーン技術をサプライチェーンに適用するソリューションを開発するとともに、複数の関連特許を取得していて、世界的に注目されている。そして今回の協業によって、「iQuattro」ユーザーにおいては、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティー、オペレーションコストおよび資本コストの最適化が可能になるという。

たとえば、これまで負担が大きく困難であった在庫の管理単位でのトレーサビリティーは、Skuchain社の「Popcodes」により、業務負担を少なくし、高い信頼性・秘匿性を保ったまま、リアルタイムでできるものになる。出荷・着荷および受発注などの契約情報は、秘匿性を保ったまま金融機関と共有し、サプライヤーへの入金処理の早期化やバイヤーの信用力に合わせた金利適用による資本コスト低減など、ファイナンスへの応用が期待できるという。

両社はすでに合同でPoC(概念証明)を実施していて、今後、サプライチェーンへの技術適用に向けた個別PoCや教育プログラムの提供等を行い、'20年度末までに売上50億円を目指す構えだ。