近ごろ仮想通貨、ビットコインなどが巷の話題だ。それはテレビ番組でも取り上げられるようになり、一気に市民権を得たような様相。
そしてその一方、大量のコンピュータ資源を要する仮想通貨の採掘(マイニング)では、寒冷地の利を活かして、北欧企業などがヒートアップしている。
無国籍のコインを得る方法はいくつかある。中でも、仮想通貨の特性でありその信用基盤にもなっているブロックチェーン(分散型台帳)への新規取引の記帳――ネットワークで結ばれた膨大なCPU(演算装置)群でする処理作業、マイニングは一刻一秒を争う、勝者が仮想通貨を報酬として獲得するレースのようなもの。
仮想通貨はさらなる普及によって、「お金」に関する障壁を世界から取り除き、金融や経済といった側面から新たな変革を起こす可能性を秘めている。と、給与の一部をビットコインで受け取れる制度の導入を決定したGMOインターネットは、今年1月からのマイニング事業開始に向けて準備中であることを昨年公表。そしてきょう、同事業の進捗を発表した。
同社は、欧州法人を通じて展開する仮想通貨マイニング事業において、高性能なマイニング用コンピュータ「次世代マイニングボード」を実現するべく、半導体設計技術を持つパートナー企業とともに、最先端の7nmプロセス技術を用いた半導体チップ(マイニングチップ)の研究開発を進めている。取り組みの第一弾として、12nmFFC(電界効果トランジスタ)プロセス技術を用いたマイニングチップの開発に成功。次のような成果が得られた。
・ 7nmの開発に先立ち、ビットコイン等の暗号化アルゴリズム「SHA256」マイニングの論理回路の検証が完了
・ マイニングのASIC(特定用途向け集積回路)としては世界最先端の12nmでマイニング半導体開発に成功
今回の12nmFFCマイニングチップは、「次世代マイニングボード」への重要な一里塚だという。