ブロックチェーンとは、データを複数のコンピューター（ノード）に分散して記録・保持する技術で「改ざん」「データ消失」「停止」が発生しにくいという特徴を持つ。
Z.com Cloud ブロックチェーンは、仮想通貨「イーサリアム（ETH）」での取引を行えるブロックチェーンプラットフォームである「イーサリアム（Ethereum）」を利用してブロックチェーン上に分散型のアプリケーションを構築できるPaaS型の基盤。2016年12月からβ版を無料で提供しており、オープンソースの開発や実証実験を経て、そこで得た知見をもとにブラッシュアップした。今回、ブロックチェーンを活用したビジネス展開に対応できるプラットフォームとして正式版を提供することになった。
GMOインターネットによると、イーサリアムの活用には「記録データが全てオープンになる」「利用ユーザーは仮想通貨（ETH）による手数料が必要」といった障壁があるが、Z.com Cloudブロックチェーンでは、こうした障壁を取り除く特長を備えているため、ブロックチェーンを活用したビジネスを迅速に立ち上げることが可能だという。
Z.com Cloud ブロックチェーンでは、ブロックチェーンと並列して機密情報を保管するデータストア（データ格納領域）を設置し、データストア内に保存したデータのアクセスコントロールを行う。これにより、データストアに保存された機密情報などのデータファイルは権限を与えられたユーザーだけが呼び出して閲覧することが可能になる。
また、取引の手数料であるGasをサービス運営者がユーザーの代わりに代払いできる機能を導入。ユーザーは仮想通貨を保有する必要なく気軽に利用できるため、ブロックチェーンを活用したサービスの普及が図れる。
さらに、世界各地のインフラ環境にブロックチェーンネットワークを配置しているため、冗長化による高い耐障害性を実現。例えば、災害などで一部のノードが損害を受けても、他の拠点に保管されたデータをもとにサービスを継続できる。
Z.com Cloud ブロックチェーンでは、効率的にブロックチェーンを活用したサービスシステムを構築できるよう、以下6種類のプロダクトモデルを無料のオープンソースで用意している。
（1）医療機関カルテ共有システム：医療カルテの情報共有を可能にするシステム
（2）トークントレーダー：取引所構築システム
（3）地域トークン：地域ポイントの発行・運用ができるシステム
（4）転売抑止チケット：不正転売の抑止とチケットレス化を実現するシステム
（5）KYC：本人確認を簡単・スピーディーに行えるシステム
（6）Pay@Table：店員を呼ばずにテーブル会計ができるシステム
Z.com Cloud ブロックチェーンの初期・月額費用は無料、データ保存量とデータ転送量、トランザクション手数料（Gas）の支払いに必要なETH使用量の従量課金で利用できる。