IoTタイヤ、APACへ展開

雨の日、雪道峠道、晴天下の高速道路や一般道でも、クルマをよく知るドライバーが気にする。タイヤはクルマの性能だけでなく人命をも左右する。空気圧一つとっても、たとえば中東では舗装路から砂漠へ入るときに減圧、戻るとき与圧するように、安全かつ適切な状態というものがある。

車両と貨物、乗っている人を含めた荷重を支え、クルマの基本性能である「走る」「曲がる」「止る」と安全性を、およそタイヤ一本あたりハガキ一枚分の接地面積で良くもし悪くもする。燃費性能にも影響を及ぼす、タイヤは進化し続けている。今日、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」時代を迎え、タイヤもデジタル機器化し、デジタル網に接続される。

そこで'16年夏、センサを用いてトラック・バス用タイヤの空気圧、温度を計測し、車両位置情報とともにネットワークを通じて遠隔でリアルタイムにモニタリングする、運送業界向けIT(情報技術)ソリューション「Tirematrics」の実証試験をリオデジャネイロにて開始――。現在、欧州においてゲート式の「Tirematics」を展開しているブリヂストンはきょう、これを刷新し、シンガポールやタイなどアジア・大洋州地域の運送事業者へ展開を始めたことを発表した。

今回の「Tirematics」では、新たに開発したクラウドベースの情報処理エンジンとセンサを用いて、実用的かつ費用対効果の高い運送ソリューションを実現。車両が運送拠点出入口を通過する際、高精度かつ即時にタイヤの空気圧、温度情報を計測する。異常を検知すれば車両管理者およびドライバーへ自動通知し、不測の運行トラブルを予防する。タイヤメンテナンスの軽労化、ひいては運送事業者の経済性向上にも貢献するという。

同社独自のしくみは、タイヤ情報を管理する「Toolbox」とともに運用することにより、そのライフサイクル全体におけるタイヤ情報の管理・分析も可能とのことだ。